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公道のカート、インバウンドで人気 コロナ明け、苦情も急増―独自の安全対策も・東京

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浅草を走るカート=2023年10月1日、東京都台東区

浅草を走るカート=2023年10月1日、東京都台東区

 新型コロナウイルスによる入国規制が緩和されて以降、東京都内で見掛けることが増えた公道を走行するカート。外国人観光客の旅行目的の一つとなり、インバウンド(訪日客)需要が見込める一方、警視庁には交通ルールや騒音を巡り、苦情や相談が年間100件以上寄せられている。

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 3月、海外から人気の観光地、台東区浅草の雷門前では、着ぐるみに身を包んだ外国人の男女5人が一列になり、周囲に笑顔で手を振りながらカートを走らせていた。

 カート事業者が参加する業界団体「訪日外国人安全運転支援機構」によると、観光客向けのカートは2012年ごろに本格的に始まった。

 利用者はほとんどが外国人で、特に欧米からの観光客が多い。国際免許が必要で、価格は1時間1万円程度。道や標識を知らなくてもガイドの指示に従い、自分で運転しながら観光できる手軽さが人気の理由で、市場規模は20億~30億円に上る。

 ただ、人気が高まるにつれ、交通違反や騒音への苦情も増えている。警視庁によると、カートに関する相談は22年はほとんどなかったが、23年は100件以上に急増。「信号待ちの時にカートを降りて写真撮影をしている」「信号無視をしている」といった内容が多いという。

 人身事故は確認されていないが、追突などの事故は12件、駐車違反なども10件あった。同庁は2月、事業者らに対し安全対策を求める要望書を渡した。

 業界団体では事故防止や騒音対策として、住宅街や子どもの多いエリアを通らない走行ルートを設定。写真撮影による交通への影響を防ぐため、乗車中の携帯電話の使用を禁止するなどの独自ルールを定めている。

 事業者は都内で十数社あるが、コロナ禍で入れ替わり、団体に所属しない業者も増えた。担当者は「新規参入が多く、ルールが共有されていない。非加盟事業者にも情報提供し、業界全体の水準を上げていきたい」と話した。

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